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マスク肌荒れの原因と対策

いまや新しい習慣となりつつある「マスクの着用」。最近ではこのマスクによる肌トラブルでクリニックを訪れる方も増えてきています。マスクによる肌荒れの原因は大きく二つに分けられます。一つはマスクによる「肌への摩擦」、もう一つはマスクの中での呼気や汗による「蒸れ」です。

「摩擦」による肌荒れはマスクと肌が物理的にこすれ、炎症を起こすことが原因。炎症を起こした肌はバリア機能が低下するため、外部からの刺激を受けやすくなり肌内部の水分を保持しづらくなります。その結果、肌の乾燥、外的刺激による吹き出物の発生など、肌トラブルが起こりやすくなるのです。「摩擦」による肌荒れの対策には、マスクの素材を選ぶこともひとつ。不織布よりも肌当たりのいいシルクや綿を選んでみてはいかがでしょう。予防の観点からどうしても不織布を選びたい場合は「しっかり洗顔&たっぷり保湿」を心がけて。肌の炎症を抑えるビタミンCやグリチルリチン酸ジカリウム配合の化粧水や美容液などをとりいれるのもおすすめです。

もうひとつ、意外と気づきにくいのが「蒸れ」による肌荒れ。マスクをしていると肌が潤っているような錯覚を起こしやすいのですが、実はマスクを長時間使用している肌は、お風呂に長く入ってしわしわにふやけたような状態になっているのです。肌が濡れてふやけた状態が続くと、肌内部の「細胞間脂質」が溶け出しやはりこれもバリア機能を低下させる原因に。 “細胞間脂質”は男性でも女性でも誰もが持っている肌の重要な要素。角質の間をセメントのように埋めてうるおいを保持する大切な役割を持っています。この「蒸れ」による肌荒れ対策は、マスクの中にコットンやティッシュを入れ、呼気や汗の水分をキャッチすることが有効です。

これから迎える蒸し暑い梅雨のシーズン、周囲の環境に気を配りながら正しくマスクを着脱することも大切ですね。